こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
『 デーミアン
〜 エーミール・シンクレアの青春記 〜 』
酒寄進一 訳
この作品は
わたしに
ほんのすこしだけ
不思議な体験を与えました。。。🍀
それは…
わたし以外の方には
とるにたらない
出来事だと思います。。。
けれど
わたしには
たいへん
印象深い出来事だったのです。。。
先日も
このブログで
ご紹介しましたが
わたしは
4月13日(土)に
日本を代表する
クラシックギタリスト
福田進一さんの
リサイタルを聴きに行きました。
それは
J.S.バッハの曲が多い
重厚なプログラムでした。
第一部は
♪ アリア
〜ゴールドベルク変奏曲 BWV988より
(J.S.バッハ〜福田進一編)
[ 原曲:無伴奏ヴァイオリン・
パルティータ 第2番 ]
(J.S.バッハ〜福田進一編 )
そのあと
15分間の休憩となりました。
素晴らしい
演奏のあとの
心地よい興奮と熱気。。。
バッハの世界が
福田進一さんが紡ぎだす
繊細かつ大胆な
音色によって
構築されていました。
バッハの余韻に
浸りながら…
わたしは鞄から
文庫本
『 デーミアン
〜 エーミール・シンクレアの青春記 〜 』
を取り出し
栞を挟んであった
頁を開きました。
( それは150頁でした。)
本当は
偶然などありはしない。
物語は
語り手・エーミールが
偶然について語り…
散歩の途中で
町はずれにある
小さな教会から漏れ聞こえてくる
オルガンの調べを
耳にする場面へと移ります。
演奏されているのは
バッハだった。
その
短い一行を読んだとき…
わたしの身体は
ピクリと、静止しました。
かすかに
息を飲み
ごくりと
唾を飲みこみました。
本当は
偶然などありはしない。
という記述…。
会場に残る
J.S.バッハの曲の余韻…。
共鳴する箇所が
あまりにも多い、この物語。。。
( この時点では
ヘッセが
影響を受けていることも…
翻訳の酒寄進一さんが
『トーマの心臓』に
衝撃を受けていたことも…
わたしは まだ知りません。。。 )
この物語のなかで
【 バッハ 】という
単語が出てくるのは
まさに
この頁だけなのです。。。
わたしは
驚いて文庫本を閉じ
翻訳の
酒寄進一さんと
クラシックギタリストの
福田進一さんが
おなじ
ファーストネームであることに
気づいて…( 漢字もおなじです。)
さらに
ハッとしたのでした。。。
コンサートの
第二部が始まりました。
最初の曲は
BWV1001
(J.S.バッハ〜福田進一編 )
曲に
身を委ねながら…
わたしの脳裏には
さきほど
読んだばかりの
『 デーミアン』の文章が
蘇っていました。。。
それは
祈りを思わせる響きだった。
演奏者は
この音楽に秘められた
宝物を知っている……
小島香奈子
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