こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
まだとても幼かったころ
母は
わたしと妹に
毎晩
本を読んでくれました。
母を真ん中にして、
母の右隣に、わたし。
母の左隣に、妹。
ぴったりと寄り添って。
涙もろい母は
悲しい場面になると、
いつも 涙声になるのでした。
ひとつ下の妹は
すぐに眠ってしまうので、
物語は
なかなか進みませんでした。
それでも
母の声を聴きながら
母の匂いとぬくもりに包まれて
わたしは
安心してぐっすりと眠ることが
できたのでした。
大人になった今、
朗読にはぬくもりがあると
信じることができるのは
幼い頃の
ぬくもりの記憶のおかげです。
小島香奈子