こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
宮本輝さんの
随筆集 『 二十歳の火影 』に
収録されている
『 夕 刊 と た こ 焼 き 』
という章を
読まれたことはありますか…?
この作品は
随筆なのですが
優れた掌小説のような
深い 深い
味わいがあって…
文章も
内容も
たいへん素晴らしく…
ごく短い作品ながら
物語を
声で表現する
喜びを
存分に味わわせてくれる
素敵な、素敵な、物語です。。。🍀
現在
わたしの
ふたつの朗読講座では
この作品を
テキストに
朗読表現を学んでいます。。。🍀
舞台は、大阪。
阪神電車の
尼崎駅周辺のお話です。
まだ小学5年生の
宮本輝さんと
まるまると太った
腕白な少年が登場します。
わたしは
朗読の講座やレッスンで
【 セリフがある登場人物の造形 】
を、とても大切にしています。
物語に
書かれてあることを
もとに
書かれていない
細部について
じっくりと
丁寧に
掘り下げてゆくのです。。。
ほんとうに
よく知っている
ひとのように
リアルに
鮮やかに
イメージできるまで。。。
実は
まるまると太った
少年には
名前がありません。。。
そこで
わたし達は
愛情をこめて
「 丸くん 」
と呼んでいます。
まだ小学生の
宮本輝さんは
「 輝くん 」 です。
先日
大阪に
着いたとき
いちばん
最初に思ったことは…
「ここは
丸くんと、輝くんの、街なんだなぁ…」
ということでした。
丸くんと
輝くんの街は
あったかい街 だったなぁ。。。
小島香奈子
◇『 二十歳の火影 』 宮本 輝
講談社文庫