こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
更新しました♬(╹◡╹)♬
太宰治が
1939年4月11日の、
家族との
出来事をしたためた随筆…
『 春昼 』です…🌸
この作品で
YouTubeへの投稿は
218本目となります♬
この作品も
青空文庫で、読むことができます…🍀
♬ こんな感じで、朗読しました ♬
( ↑ このURLをクリックすると、
動画に飛びます♬ )
今日
お届けした
この『春昼』は…🌸
太宰治が
1939(昭和14)年の
🌸 4月11日 🌸
つまり…
82年前の、今日の出来事…❣️
を、
したためた随筆なんです…🌸
この作品は
文豪・太宰治の日常生活が
チラッと
垣間見えるようで、
とても興味深く…🌸
奥さんとの、
また妹さんとの…
なんてことはない
ごく普通のやりとりが
なんとも
微笑ましくて…🌸
大好きな
作品のひとつなんです♬
🌸(╹◡╹)🌸
わりと短くて
すぐに読める作品ですから…
ここに全文を
ご紹介いたします♬
『 春昼 』太宰治
四月十一日。
甲府のまちはずれに仮の住居をいとなみ、早く東京へ帰住したく、つとめていても、なかなかままにならず、もう、半年ちかく経ってしまった。
けさは上天気ゆえ、家内と妹を連れて、武田神社へ、桜を見に行く。
母をも誘ったのであるが、母は、おなかの工合悪く留守。
武田神社は、武田信玄を祭ってあって、毎年、四月十二日に大祭があり、そのころには、ちょうど境内の桜が満開なのである。
四月十二日は、信玄が生れた日だとか、死んだ日だとか、家内も妹も仔細らしく説明して呉れるのだが、私には、それが怪しく思われる。
サクラの満開の日と、生れた日と、こんなにピッタリ合うなんて、なんだか、怪しい。話がうますぎると思う。神主さんの、からくりではないかとさえ、疑いたくなるのである。
桜は、こぼれるように咲いていた。
「散らず、散らずみ。」
「いや、散りず、散りずみ。」
「ちがいます。散りみ、散り、みず。」
みんな笑った。
お祭りのまえの日、というものは、清潔で若々しく、しんと緊張していていいものだ。境内は、塵一つとどめず掃き清められていた。
「展覧会の招待日みたいだ。きょう来て、いいことをしたね。」
「あたし、桜を見ていると、蛙の卵の、あのかたまりを思い出して、――」家内は、無風流である。
「それは、いけないね。くるしいだろうね。」
「ええ、とても。困ってしまうの。なるべく思い出さないようにしているのですけれど。いちど、でも、あの卵のかたまりを見ちゃったので、――離れないの。」
「僕は、食塩の山を思い出すのだが。」これも、あまり風流とは、言えない。
「蛙の卵よりは、いいのね。」妹が意見を述べる。「あたしは、真白い半紙を思い出す。だって、桜には、においがちっとも無いのだもの。」
においが有るか無いか、立ちどまって、ちょっと静かにしていたら、においより先に、あぶの羽音が聞えて来た。
蜜蜂の羽音かも知れない。
四月十一日の春昼。
( 作品引用、終わり…🌸 )
いかがでしょうか…❓
🌸(╹◡╹)🌸
なんだか
太宰治の日常生活を
ちょっぴり
のぞけたような、
そんな
気持ちになりませんか…❓
今から
82年前の
今日、4月11日に…
太宰治が
経験した出来事。。。🌸
ぜひぜひ
本日のうちに
お聴きくださいませ…❣️
🌸(╹◡╹)🌸
あなたに
お楽しみ頂けたら
とっても嬉しいです…🌸
いつも
最後まで
読んでくださって
本当に
どうもありがとうございます!!
🍀(╹◡╹)🍀
あなたの
新しい毎日にも
たくさんの
幸せが訪れますように…♬
小島香奈子
※ 最終的にボツにしたのですが
わりと気に入っていた、
サムネイル画面候補です…🌸
🌸(╹◡╹)🌸
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