こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
こどもの頃。
両親や
学校の先生に
褒められて
大好きになったものって
ありませんか…？
わたしには
ふたつあります。
ひとつは
国語の教科書の音読。
そして
もうひとつは
作文です。
わたしが
国語の時間が
大好きだったことは
言うまでもありません。。。🍀
ほんの
ちょっぴりだけ
芽を出した
ちいさな
ちいさな
【 得意なこと 】は
親や
先生に
褒めてもらえることで
ぐんぐん
ぐんぐん
伸びてゆきます。
けれど
もしも
わたしが
優等生で
どの科目も
成績優秀で
運動神経も
抜群な子だったら…
おそらく
あんなにも
国語を
好きになることは
なかった
そんな気がします。。。
きっと
両親や
先生に
褒めてもらえることも
日常茶飯事で
特に
なにも
感じなかったのでは
ないでしょうか…。
しかし
実際には
その逆で
わたしは
運動が大の苦手で
走ることは
学年で
一、二を争うほど遅く…
理系科目は
ちんぷんかんぷんで…
とりわけ
算数ときたら
ほんとうに
ひどい出来でした。。。
（ 授業は
真面目に
受けていたのですが…。）
夕食のあと
テーブルに
教科書や
参考書を広げて
両親が
算数を
教えてくれるのですが…
お小遣いで
鉛筆や消しゴムを買う問題
自宅から駅まで
歩いて行ったり
自転車に乗ったり
途中で休憩したりする問題
電車が
トンネルをくぐってゆく問題
ほんとうに
なにもかも
苦手でした。。。
（ こうして
振り返ってみると
すべて 生きてゆくのに
必要な計算力と視点ですね…。）
しまいには
父は
怒りだし
母は
ため息をつき
わたしは
泣きべそを
かくことになります。。。
算数や
体育では
両親を
怒らせたり
がっかりさせていた
わたしが
とっても
褒めてもらえた
唯一の科目。。。🍀
それが、国語でした。
なにしろ
出来ない科目が
たくさんあるなかで
国語だけは
みんなに
褒めてもらえるのですから
どんなに
嬉しく
どんなに
心地よく
どんなに
楽しかったことか。。。🍀
夕食のあと
わたしは
おもむろに
国語の教科書を
取り出し
宿題の音読をします。
いつも
母が
笑顔で
聞いてくれて
「 上手 ‼︎ 上手 ‼︎
かなは
ほんとに 上手やねぇ…。」
と
にこにこして
褒めてくれました。
その度に
わたしは
とっても
幸せな気持ちに
なりました。。。🍀
時間が
許すときには
もう一度
くりかえし音読して
もう一度
褒めてもらったりしていました ♪♪
こどもにとって
親や先生に
褒めてもらえることは
特別に
嬉しいことですからね…🍀
ある日。
あれは
小学校２年生のときのこと。
珍しく
その場に
父もいました。
わたしは
国語の
教科書に
掲載されている
『 スーホの白い馬 』
を音読しました。
大好きな
物語でした。
自然に
思いが
声に乗ったのでしょう…。
読み終えた
瞬間
父が
大きな
声を上げたのです…‼︎
「 す ご い ‼︎
すごいやないね‼︎
（ すごいじゃないか ）
感 動 し た ‼︎ 」
わたしは
びっくりして
父を見ました。
それまで
父が
わたしを
褒めてくれたことは
一度も
なかったのです…。
わたしは
驚きのあまり
声が出ませんでした。。。
いつも
怒られてばかり…
ときには
容赦なく
拳骨も飛んできました。
その父が…
初めて
褒めてくれた。。。。。。。🍀
この日のことは
今でも
はっきり
覚えています。
そして
あの日は
わたしが
【 朗読は
聴き手の心を
動かすことができると
知った
最初の日 】
であるように思うのです。。。🍀
物語を 声で 表現し
それが
聴き手に 確かに 届いた
そう
実感した日でした。
実は
この日のことは
父も
覚えていて…
「 あのときの
感動を超える
朗読は
まだ無いね。。。 」
と言います。
親や先生の
何気ない
褒め言葉が
こどもを
導くことは
よくあるでしょう。。。
わたしの場合は
小学校時代…。
あの日の
父の言葉と
母が
いつも笑顔で
音読を、褒めてくれたこと。
それが
わたしを
朗読の道に
導いてくれたと思っています。。。🍀
小島香奈子
