♡小島香奈子の今日も朗読日和♡

🍀福岡市在住の朗読家・朗読講師の小島香奈子のブログです🍀

◆病院の窓から見上げた空は、 泣きたいくらい、きれいな青だった。

 


こんにちは。

朗読家・朗読講師の小島香奈子です。

 


空を

見上げるのが

好きです。

 


どの季節にも 

どの時間帯にも

 


それぞれの

良さがあり

 


固有の

美しさがあります。。。🍀

 


いったい

いままでに

 


どれだけ

空を見上げてきたことでしょう…。

 


その

幾千もの

空の記憶の中で

 


とりわけ

 


魂に

染み入るほど

美しかったのは…

 


入院中に

病院の窓から

見上げた

 

 

あの青空です。。。

 


2018年4月2日。

車に撥ねられた

わたしが

 


ようやく 

病院に

入院できたのは

 


4月10日のことでした。

 


救急病院の

目と鼻の先で

車に撥ねらたので

 


すぐに

病院に運ばれて

 


レントゲン撮影と

MRI検査をしましたが

 


医師の誤診により

 


【  異常なし 】と診断され…

 


激痛で

まったく

動けないのに

 


帰宅指示が

出たのでした。

 


サイズの合わない

サポーターと

 


松葉杖だけ

渡されて。。。

 


家族全員が…

 


特に 

母と妹が…

 


本当に

献身的に

看病をしてくれました。。。

 


傷だらけで

自宅で過ごした

 


あの

8日間のことを

 


わたしは

 


一生、忘れないでしょう……。

 


セカンドオピニオン

受診した病院では

 


即入院することが

できました。

 


あの瞬間の

ホッとした気持ち…。

 


あぁ…。

これで

 


痛いときに

「  痛い  」って言っても

大丈夫だ…。

 


お医者さまも

看護師さんも

 


みんな

プロだから

 


困ったりしないから…。

 


自宅療養

しているうちに

 


桜は

散ってしまっていました…。

 


わたしの

時間は

 


4月2日で

止まってしまっていたけれど

 


みんな

 


どんどん

前に、進んでいたんだなぁ…。

 


安静期は

激痛の為に

 


横になることも

難しく

 


わたしは

 


常に

座った姿勢のまま

 


ベッドで過ごしたり

 


車椅子で

移動したりしていました。

 

 

病院の

おおきな窓から

見上げる空は

 


ほんとうに

 


青くて

青くて。。。

 


ただ

空を

見ているだけで

 


涙が

あふれて

とまりませんでした…。

 


おなじ部屋に

 


わたしの他に

もうひとり

 


女性が

入院されていました。

 


とても

優しい方でした。

 


笑顔が

チャーミングで

 


明るい性格で

 


わたし達は

よくおしゃべりをしました。

 


その方と

おしゃべりしていると

 


楽しさのあまり

時が経つのも忘れました…🍀

 


あるとき。

 


ふたりで

窓の外を

眺めていたとき

 


その方が

 


静かに

こう おっしゃいました。

 


          「 今は

              とっても

              とっても

              辛いと思うけど…

 


              あなたが

              助かったのはね…

 


              使命が

              あるからだと

              わたしは  思うの…。

 

 

              あなたにしか

              できないことが

              きっと、あるのよ…。

 


               だから

               負けないでね。

 


               いっしょに

               がんばろうね…。  」

 

 

             ……     使      命  ?  ……

 

 

その方は

そう言うと

 


自分のベッドに

ゆっくり近づき

 


ちいさな

引き出しから

なにかを取り出して

 

 

わたしの

てのひらに

 


そっと 

載せました。

 


それは

お饅頭でした。

 


その方は

わたしの顔を

のぞきこんで

 


にっこりと

微笑みました。

 


包み紙を

ゆっくりと破いて

 


白い

ふっくらとした

お饅頭を

 


ふたりで

 


ゆっくり

ゆっくり

食べながら…

 


わたし達は

 


並んで

窓の外を

眺め続けました。

 


口の中

いっぱいに

 


餡の甘さが

優しく広がり

舌を包みました。

 


雲ひとつ無い

透明な空が

 


ずっとずっと

広がっていて…

 


その青が

 


心にも

魂にも

 


ひりひり

ひりひり

沁み入りました。。。

 

 

【 使命 】

 


という言葉が

胸に響き…

 


わたしは

ぼろぼろ涙を

こぼしながら

 


唇を

噛み締めました。

 


交通事故で

亡くなる方だって

いるのに

 


わたしは

こうして

助かったんだ。。。

 


この命を

 


決して

無駄にしてはいけない…。

 


絶対に

無駄にしたらいけないんだ……。

 


青い空に

ゆっくりと

 


白い

ひこうき雲

伸びていきました。

 

 

 

小島香奈子

 

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