こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
『 ら抜きの殺意 』という作品を
ご存知ですか…？
1997年に
永井愛さんが発表した戯曲で
1997年12月
テアトル・エコーで初演。
1998年には
第一回 鶴屋南北戯曲賞を
受賞した作品です🍀
卓抜な
ストーリー展開…
人物造形の面白さ…
言葉のセンスが
きらりと光る絶妙な台詞…
そして
社会性の高いテーマ設定。
たいへん
質の高い作品です🍀
また
日本語の
変化や特徴についても
鋭く
問題提起をしていて…
初演当時
たいへん話題になりました。
そのため
初演から
数年経っても
マスコミ系列の会社の
入社試験で
出題されるほどでした。
この
『 ら抜きの殺意 』🍀
2002年に
テアトル・エコーの皆さんが上演された
全国ツアー
ファイル公演のDVDを
家族で
一緒に楽しく観ました（╹◡╹）♬
恥ずかしながら
これほど有名な作品を
わたしは
今日 初めて観ました。
この作品は
90年代の
言葉の変化を中心に描いたものですが…
今観ても
たいへん 面白く興味深い作品です。。。🍀
作品の主題は…
第一幕は
【 ら抜き言葉 】を
はじめとした日本語の変化（ 乱れ？）。
ら抜き言葉で話す若者と…
ら抜き言葉が許せない
中年男性との対立をベースにして…
初演当時の
90年代後半の
若者言葉が頻発します♬
（ チョベリバやショボいなど。
…懐かしい言葉ですね🍀 ）
そこに
ことわざの意味を
正しく理解していない若者も
登場したりして…
笑いを誘います♬
第二幕では
【 男言葉 】や【 女言葉 】を通して
ジェンダーの問題や
個人の
アイデンティティの問題にも
実に鋭く
切り込んでいて
深く深く
考えさせられることが
たくさんありました。。。
たとえば
日本語の
女言葉には、命令形がない。
女言葉には
依頼形はあっても…
男言葉に存在する
直接
相手に命令する言葉は
無いのです。。。
それは
日本の社会は…
女性が
ひとに命令することを
好まなかったから。。。
この指摘には
目から鱗が落ちました。
それに
正解で丁寧な言葉遣いでも
相手に
不快感を与える場合があることや…
（ 慇懃無礼な場合や
上から目線で話しているとき。）
言葉は
そのひとの
生き方や
人間性を表すものであること、
また
標準語には無い
方言の魅力についてなど。。。
とにかく
多角的な視点で
【 現代の日本語 】について
描かれていて…
たくさん
笑いながらも
本当にいっぱい
考えさせられました。。。🍀
わたしは
かつて
国語の先生を
目指した時期があり…
現在は
朗読講師
話し方講師として
日本語に
深く携わっています。。。🍀
仕事を通して
日本語の
美しさや難しさを
痛感することは数多くあります…。
日本人の
美意識や伝統的な価値観を
表すような
繊細で優美で
雅で美しい言葉は…
ぜひとも受け継いで
次の世代へ
伝えてゆきたいですし…
その一方で
新しい時代に
新しく生まれてきた言葉たちも
頭ごなしに
「 乱れ 」だと決めつけずに
柔軟な心で
受け入れてゆきたいと思っています。。。🍀
また
日本全国津々浦々のひとびとに
正確に
思いを届けられるよう
標準語は
きちんと学びつつ…
生まれ育った
福岡の言葉は
誇りを持って
大切にしてゆきたいと
思っています。。。🍀
そういう
普段から考えていることを
あらためて
じっくりと
考えるきっかけにもなりました🍀
やはり
本当に質の高い作品は
時を経て観ても
面白いものです。。。🍀
かつて
観たことがある方も…
まだ
一度も観たことがない方も…
『 ら抜きの殺意 』 おすすめです！！
🍀（╹◡╹）🍀
小島香奈子
🍀 小島香奈子の朗読公演情報 🍀
https://acros-info.jp/events/17131.html
🍀 小島香奈子の朗読ワークショップ情報 🍀 https://acros-info.jp/events/17132.html
