♡小島香奈子の今日も朗読日和♡

🍀福岡市在住の朗読家・朗読講師の小島香奈子のブログです🍀

◆現代中国の、リアルな息遣い…🍀

 

こんにちは。

朗読家・朗読講師の小島香奈子です。

 


このブログでも

すでに何回か、お話しましたが…🍀

 


たいへん

光栄なことに

 

令和元年度

福岡県高文祭放送コンテスト

福岡地区大会

 


朗読部門と

アナウンス部門の

 


審査員のお仕事を

させて頂けることになりました…🍀

 


それで

先週からすこしずつ

 


朗読部門の

課題作品を、読みこんでいます♬

 


今回の

課題は4作品です…🍀

 


①『星やどりの声』

       朝井リョウ著/角川文庫

 


②  『星火瞬く』

        葉室麟  著/  講談社文庫

 


③『ちいさな言葉』

       俵万智著/岩波現代文庫

 


④『山の郵便配達

      ポン・ヂエンミン著

      大木康  訳/集英社文庫

 

 

わたしが

いちばん最初に、手にとったのは…

 


学生時代に

ものすごく憧れていた

 


歌人俵万智さんの

エッセイ『ちいさな言葉』でした。

 


息子さんの

成長する姿を

 


《  ことば  》という視点で

 

 

みずみずしく

切り取って…

 


じっくりと

楽しみ、味わう様子が

とっても素敵なエッセイでした…🍀

 


次に

手にとったのは

 


朝井リョウさんの

現代小説『星やどりの声』でした…★

 


物語の世界が

すごくリアルに鮮やかに

 


良い意味で

とても生々しく描かれていて

 


まだ若い作者の

豊かな才能に驚いた作品でした。。。🍀

 


そして

 


3冊目に

手にしたのが…

 


ポン・ヂエンミンという

 


中国の

作家の方が書いた

 


  短編集

山の郵便配達』でした。。。🍀

 

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  読み終えた感想は…

 


《  まるで

      現代中国の変化を

 

      現地で

      体験したような、感じ。。。🍀  》

 


この短編集には

6つの小説が、収められています。

 


表題作でもある

山の郵便配達』は

 


1999年

中国で制作され

 


2001年には

日本でも上映されています…🍀

 


ポン・ヂエンミンさんの

原文がそうなのか…

 


大木  康さんの

翻訳の文体がそうなのか…

 


それは

中国語が出来ない

わたしには、わかりませんが。。。

 


なんとも言えない

すっきりとした、端正な文章で…

 


余計な装飾は、一切なく

 


素朴で、素直で…

おおらかで、ほがらかで…

 


清らかで、無垢で…

 


それでいて

頑固で、意地っ張りで…

 


そんな

個性のある

文章なのです。。。🍀

 


もしかしたら

作者の人柄が

 


文章にそのまま

滲みでているのかもしれませんね。。。🍀

 


そして

たいへん映像的な文章で

 


まるで

映画を、観ているかのように

 


ありありと

映像が、浮かんできました…🍀

 


最初の2作品

山の郵便配達』と『沢国』には

 


広大な中国の

圧倒的なまでに豊かな自然と

 


その自然のなかで

生きてゆくことの厳しさが

 


丁寧に

描かれていました…。

 


《  生きてゆく  》ということの

 


確かな

実感と大変さが

 


身体的な

感覚を伴って

 


リアルに

感じられました。。。🍀

 


この短編集は

 


そういう

テイストの本なのかな…

と、思っていたら

 


3作目の

『南を避ける』や

 


4作目の

『過ぎし日は語らず』あたりから

 


急に

風向きが、変わり始めます…。

 


それまでの

伝統的な生き方から

 


急速に

現代化が進んでゆく様が

 


哀しいほど

リアルに、現実的に、

描かれているのです。。。

 


5作目の『愛情』や

 


6作目の『振り返ってみれば』

 


に、至っては

1作目や2作目の作品とは

 


まるで

テイストの異なるお話でした。。。

 


個人的には

6作目は…

 


初期の

村上春樹作品を

 

 

彷彿とするような

手触りの小説だと感じました…🍀

 


(  ちなみに、わたしは

      村上春樹の大ファンです…!!)

    

 

いちばん

好きなお話は、5作目の『愛情』で

 

 

配偶者への

深い愛情が起こす奇跡に

 

 

胸が

とっても熱くなりました。。。🍀

 


この作品は

NHKのFM『音楽物語』でも

朗読されたそうです…♬

(  …聴きたかったなぁ…!! )

 


ところで

 


この6作品の

テイストの変化は…

 


そのまま

現代中国の

変化そのもののように

 


わたしには

感じられました。。。🍀

 


そして

ページをめくりながら…

 


わたしは

この物語が

 


異国の

お話であることを

 


ひしひしと

感じていました。。。🍀

 


日本在住の

日本人が、日本語で書いた物語ならば…

 


どんなに

自分とは境遇の違う

 


登場人物が

出てきたとしても

 


その背景にある

社会や、文化や、風習や、歴史や、法律は…

 


日本在住の

日本人として

共有しているものです。。。🍀

 


けれど

外国のお話を読むと…

 


国土の

広さをはじめ

 


歴史や、気候や、文化や、風習などが…

 


日本とは

まるで違っていて…

 


最初は

 


日本との

あまりの違いに

驚きを隠せません。。。

 


けれど、次第に

 


物語の

世界や空気感に、馴染んでくると…

 


ひとたび

ページを閉じたときに

 


自分がどこにいるのか

 


ふっと

わからなくなる瞬間が

あったりするのです。。。🍀

 


なんだか

わたしまで

 


急速に

現代化が進む中国で

 


伝統的なものと

新しい時代の流れの対立に

 


巻き込まれ…

振り回され…

 


悩み、迷い、もがき、あえいで…

 


どのように

生きるべきであるのかを

 


模索しているような錯覚に

とらわれてしまいました。。。

 


あらためて

《  読書  》というものが持つ

 


驚くべき

偉大な力を感じました…🍀

 


わたしは

 


一度も

訪れたことのない国の

 


空気に触れ…

匂いを嗅ぎ…

 


美しい自然に、ただ息を呑み…

 


激しい男女差別に

怒りを覚え…

 


貧困を嘆き…

若者の変化を憂い…

 


愛するひとと

共に生きる喜びを感じたりして…

 


そんな風に

生き生きと、リアルに

 


物語の世界を

体験したのでした。。。🍀

 


とにかく今は…

 


まるで

長い旅から

帰ってきたような…

 


あるいは

 


映画館で

よく出来た

6本の映画を立て続きに観て…

 


ふらふらしながら

 


映画館の

外に出てきたような

 


不思議な

感覚なのです…🍀

 


中国かぁ。。。♬

 


この小説の

舞台となった場所を

 


いつか

訪れてみたいなぁ。。。🍀

(╹◡╹)

 

 

 

小島香奈子

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