こんにちは。
朗読家・朗読講師の小島香奈子です。
このブログでも
すでに何回か、お話しましたが…🍀
たいへん
光栄なことに
令和元年度
福岡県高文祭放送コンテスト
福岡地区大会
朗読部門と
アナウンス部門の
審査員のお仕事を
させて頂けることになりました…🍀
それで
先週からすこしずつ
朗読部門の
課題作品を、読みこんでいます♬
今回の
課題は4作品です…🍀
①『星やどりの声』
朝井リョウ著/角川文庫
② 『星火瞬く』
③『ちいさな言葉』
④『山の郵便配達』
ポン・ヂエンミン著
わたしが
いちばん最初に、手にとったのは…
学生時代に
ものすごく憧れていた
エッセイ『ちいさな言葉』でした。
息子さんの
成長する姿を
《 ことば 》という視点で
みずみずしく
切り取って…
じっくりと
楽しみ、味わう様子が
とっても素敵なエッセイでした…🍀
次に
手にとったのは
朝井リョウさんの
現代小説『星やどりの声』でした…★
物語の世界が
すごくリアルに鮮やかに
良い意味で
とても生々しく描かれていて
まだ若い作者の
豊かな才能に驚いた作品でした。。。🍀
そして
3冊目に
手にしたのが…
ポン・ヂエンミンという
中国の
作家の方が書いた
短編集
『山の郵便配達』でした。。。🍀
読み終えた感想は…
《 まるで
現代中国の変化を
現地で
体験したような、感じ。。。🍀 》
この短編集には
6つの小説が、収められています。
表題作でもある
『山の郵便配達』は
1999年
中国で制作され
2001年には
日本でも上映されています…🍀
ポン・ヂエンミンさんの
原文がそうなのか…
大木 康さんの
翻訳の文体がそうなのか…
それは
中国語が出来ない
わたしには、わかりませんが。。。
なんとも言えない
すっきりとした、端正な文章で…
余計な装飾は、一切なく
素朴で、素直で…
おおらかで、ほがらかで…
清らかで、無垢で…
それでいて
頑固で、意地っ張りで…
そんな
個性のある
文章なのです。。。🍀
もしかしたら
作者の人柄が
文章にそのまま
滲みでているのかもしれませんね。。。🍀
そして
たいへん映像的な文章で
まるで
映画を、観ているかのように
ありありと
映像が、浮かんできました…🍀
最初の2作品
『山の郵便配達』と『沢国』には
広大な中国の
圧倒的なまでに豊かな自然と
その自然のなかで
生きてゆくことの厳しさが
丁寧に
描かれていました…。
《 生きてゆく 》ということの
確かな
実感と大変さが
身体的な
感覚を伴って
リアルに
感じられました。。。🍀
この短編集は
そういう
テイストの本なのかな…
と、思っていたら
3作目の
『南を避ける』や
4作目の
『過ぎし日は語らず』あたりから
急に
風向きが、変わり始めます…。
それまでの
伝統的な生き方から
急速に
現代化が進んでゆく様が
哀しいほど
リアルに、現実的に、
描かれているのです。。。
5作目の『愛情』や
6作目の『振り返ってみれば』
に、至っては
1作目や2作目の作品とは
まるで
テイストの異なるお話でした。。。
個人的には
6作目は…
初期の
村上春樹作品を
彷彿とするような
手触りの小説だと感じました…🍀
( ちなみに、わたしは
村上春樹の大ファンです…!!)
いちばん
好きなお話は、5作目の『愛情』で
配偶者への
深い愛情が起こす奇跡に
胸が
とっても熱くなりました。。。🍀
この作品は
NHKのFM『音楽物語』でも
朗読されたそうです…♬
( …聴きたかったなぁ…!! )
ところで
この6作品の
テイストの変化は…
そのまま
現代中国の
変化そのもののように
わたしには
感じられました。。。🍀
そして
ページをめくりながら…
わたしは
この物語が
異国の
お話であることを
ひしひしと
感じていました。。。🍀
日本在住の
日本人が、日本語で書いた物語ならば…
どんなに
自分とは境遇の違う
登場人物が
出てきたとしても
その背景にある
社会や、文化や、風習や、歴史や、法律は…
日本在住の
日本人として
共有しているものです。。。🍀
けれど
外国のお話を読むと…
国土の
広さをはじめ
歴史や、気候や、文化や、風習などが…
日本とは
まるで違っていて…
最初は
日本との
あまりの違いに
驚きを隠せません。。。
けれど、次第に
物語の
世界や空気感に、馴染んでくると…
ひとたび
ページを閉じたときに
今
自分がどこにいるのか
ふっと
わからなくなる瞬間が
あったりするのです。。。🍀
なんだか
わたしまで
急速に
現代化が進む中国で
伝統的なものと
新しい時代の流れの対立に
巻き込まれ…
振り回され…
悩み、迷い、もがき、あえいで…
どのように
生きるべきであるのかを
模索しているような錯覚に
とらわれてしまいました。。。
あらためて
《 読書 》というものが持つ
驚くべき
偉大な力を感じました…🍀
わたしは
一度も
訪れたことのない国の
空気に触れ…
匂いを嗅ぎ…
美しい自然に、ただ息を呑み…
激しい男女差別に
怒りを覚え…
貧困を嘆き…
若者の変化を憂い…
愛するひとと
共に生きる喜びを感じたりして…
そんな風に
生き生きと、リアルに
物語の世界を
体験したのでした。。。🍀
とにかく今は…
まるで
長い旅から
帰ってきたような…
あるいは
映画館で
よく出来た
6本の映画を立て続きに観て…
ふらふらしながら
映画館の
外に出てきたような
不思議な
感覚なのです…🍀
中国かぁ。。。♬
この小説の
舞台となった場所を
いつか
訪れてみたいなぁ。。。🍀
(╹◡╹)
小島香奈子
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