♡小島香奈子の今日も朗読日和♡

🍀福岡市在住の朗読家・朗読講師の小島香奈子のブログです🍀

◆『少年の日の思い出』

 


こんにちは。

朗読家・朗読講師の小島香奈子です。

 


ヘルマン・ヘッセという

 


作家の名前を

聞いたとき…

 


一番最初に

思い浮かぶのは

 


『  少年の日の思い出』という

 


短編小説です。

 


日本では

もう70年以上も

 


高橋健二さんの翻訳で

 


中学校一年生の

国語の教科書に

掲載されているそうなので

 


国語の時間に

習ったという方が多いと思います。

 


この小説には

 


忘れられない

思い出があります。。。🍀

 


わたしの

中学校では

 


クラスの

メンバーは

 


文化班・学習班・厚生班など

 


係の仕事べつに

5〜6人の班に別れていました。

 


係の仕事も

一緒にしますが

 


給食の時間に

机で島をつくって

 


一緒に食べる

メンバーでもあります。

 


わたしは

 


中学校の

3年間を通して

 


ずっと【  文化班  】でした。


(  ちなみに

      文化専門委員長として

      生徒会活動もしました🍀  )

 


文化班の

一番の仕事は

 


文化祭を

盛り上げることですが…

 


平素は

図書や壁新聞製作などの

仕事をします。

 


つまり

読書や文章を書くことが

好きなひとが

 


文化班を

希望することが多かったのです。

 


中学校一年生のとき。

 


一年を通して

文化班は同じメンバーでした。

 


読書という

共通の趣味を持つ

わたしたちは

 


男女共に

とても仲が良くて

 


いつも

たわいもない話で

盛りあがっていました。

 

 


                  おまえたちは

                  ほんとに仲がいいなぁ。。。

 

 


先生方にも

よくそう言われるほどでした。

 


そんな

わたしたちが

夢中になったのが……

 


国語の時間に習った

 


 ヘルマン・ヘッセ

『少年の日の思い出』だったのです。。。🍀

 


国語を

担当してくださったT先生は

 


教え方が

抜群にお上手な先生で

 


わたしたちは

 


主人公に

思いっきり感情移入しました。

 


主人公が

エーミールに言われる

 

 

 

                    そうか、そうか、

          つまり君はそんなやつなんだな。  

 

 

 

という

冷淡なセリフには

 


まるで

自分たちが

 


エーミールに

そう言われたかのように

打ちのめされました。。。

 


わたしたちは

給食時間にも

 


この小説について

熱く熱く語りあい……

 


ついに

わたしたちは

 


毎日

昼休みを使って

 


 ノートに

『少年の日の思い出』の続編を

 書きはじめたのです。。。🍀

 


それぞれ

タイトルは…

 


               『  青年の日の思い出  』

 


               『  壮年の日の思い出  』

 


               『  中年の日の思い出  』

 


               『  晩年の日の思い出  』

 


(  中年のあと

      いきなり晩年に飛ぶあたりが

      中学生の発想ですね…。)

 

 

なぜか

舞台は日本に変わり…

 


主人公は

次第に成長してゆくのですが

 


かならず、いつも

 


取り返しのつかないことを

しでかしてしまい…

 


エーミールに

 

 


                    そうか、そうか、

          つまり君はそんなやつなんだな。

 


 

と言われ続ける

なんとも切ない続編なのですが…

 


わたしたちは

大傑作を執筆しているような

 


素晴らしい

気持ちになって……

 


毎日  毎日

飽きもせずに

 


あらすじや

事件のアイディアを練っては

 


夢中になって

 


ノートに

『  少年の日の思い出  』の

続編(  というかパロディ…?)を

 


書き続けたのでした。

 


あれは

ほんとうに

楽しかったなぁ。。。‼︎

🍀(╹◡╹)🍀

 

 

                おまえら   

                なんでそんなに

                仲いいと〜?(  仲いいの?)

           

 

と、

クラスの男子に

からかわれても…

 

 

 

                   羨ましいっちゃろ ♪♪

              (  羨ましいんでしょ ♪♪   )

 

 


と、笑って返していました。

 


まだ

12〜13歳だった

 


あの頃の

わたしたちにとって…

 


青年時代も

壮年時代も

中年時代も

もちろん晩年時代も

 


はるか

遠い未来に感じられました…。

 


自分たちは

いつまでも、こどもで

 


守ってもらえる存在で

 


永遠に

若い肉体のまま

生きていけるような…

 


そんな気さえしていた

あの頃。。。🍀

 


なにも知らずに

無邪気に

 


中年以降の人生を

想像したものです……。

 


 ようやく完成した

『  少年の日の思い出  』の続編

  ならぬ  パロディ小説を

 


国語科の

T先生は

 


盛大に

誉めてくださいました…‼︎

(  とても優しい先生だったのです🍀 )

 


本当は

 


主人公と

エーミールが

 


突然日本に

来ていることをはじめ…

 


(  文化班のメンバーは

      誰もドイツに行ったことが

      なかったのです。。。)

 


突っ込みどころ満載の

 


小説の真似事の

パロディでしたが…

 


T先生は

批判めいたことは

 


ひとことも

おっしゃいませんでした。

 


ただただ

楽しそうに目を細めて

 


わたしたちの

手書きの小説を

 


うんうん

頷きながら

 


丁寧に

読んでくださったのでした。。。🍀

 

 


                     よう書けとぉよ。

               (  よく書けているよ。)

 

 

 

T先生の

笑顔とその言葉は

 


どれほど

わたしたちを

喜ばせたことか。。。。🍀

 


大人になった今も

忘れることのできない

 


わたしの

【  少年の日の思い出  】です。。。🍀

 

 

 

小島香奈子

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